桜の季節に迎える第５節で今シーズンのホームゲームは３試合目。第３節鹿児島戦のような快勝を味わいたいところだが、前節はアウェイで八戸に手痛い敗北を喫した。やはり勝った後ともなれば、相手もその勝ち方を研究してくる。今節対戦する琉球も、そう簡単には勝たせてくれないだろう。

こういう場合にやるべきことは少なくない。敗因となった弱点の解消、次節の対戦相手の分析と、その落とし込み。自分たちが掲げるスタイルの追求と、地力の向上。どれもおろそかには出来ない。まして琉球は八戸とは明確に戦い方が異なる相手。八戸戦の反省をすべて活かせるというわけでもなく、似たような失点の防止など限られた時間内で着手するべきポイントを抑えていく必要がある。

一方、琉球も苦しんでいる。積極的にプレッシャーをかけてボールを奪い、パスを繋いで攻め、強力な前線が決めるアグレッシブなサッカーで２勝１分の好スタートを切ったが、福島と対戦した前節は無得点に抑えられ、それが初黒星を呼び込んだ。奇しくも、岐阜と似た状況に置かれている。連敗はしたくないと、士気を高めているのは同様だろう。

選手層を見ても最前線で相手と競りながらボールを収められる９番野田をはじめタレントが揃い、戦力的にはほぼ互角だ。その特長のまま、積極的な攻撃の応酬となるのか、それともその予想を外して戦い方に少しアレンジを加えるのか。予想しにくい一戦となった。

考えるべき要素は多々ある。しかしシーズンを通した成長を考えれば、過度に対策へ振れすぎてもチーム作りがブレるばかりだ。対琉球の準備をしながらも独自のスタイルを貫き、皆で『HYPER CHANT』を歌うべく勝利を狙っていきたい。

（text by後藤勝）