２週続けてのホームゲーム、今節長良川に迎える相手は松本山雅ＦＣ。ＦＣ岐阜との勝点差は２であり、この直接対決に勝てば順位が上がることは確実であるだけに、めざすは勝利のみ。目的意識をはっきりさせて臨むべきＪ３第26節となる。

前回の対戦は３月31日のサンプロアルウィンでおこなわれたＪ３第７節は２－１で岐阜の勝利。前半３分に荒木大吾のゴールで先制しながらも多くの時間帯で苦戦を強いられ

たが、１－１で迎えた後半アディショナルタイムに荒木からのボールを受けた藤岡浩介が精度の高いラストパス、これを粟飯原尚平が決め、土壇場で勝ち越し。アウェイの地で勝点３をもぎ獲る劇的な勝利だった。

あの時のイメージを抱いている荒木、粟飯原、藤岡が健在であることは岐阜にとって好材料だ。攻撃の形が少なかったことを悔しく思っている様子の荒木がチャンスにつながる組み立てに成功し、粟飯原または藤岡が決める──というシーンも想像しやすい。チームはまだ不調を脱したとは言い切れないものの、前節は夏の新加入選手５人を起用して趣を変え、ゴールに向かう意識を徹底して５得点を挙げた。内容が良くなかったとしても勝てるということは、状況が好転し始めているということ。勝って反省するサイクルで新しい選手を馴染ませれば、チームは少しずつ機能していくようになる。

第25節Ｙ.Ｓ.Ｃ.Ｃ.横浜戦で５カ月ぶりの長良川での勝利を手に入れ、ホームで勝てないというジンクスを払拭した以上、もはや怖れるものはない。今週の岐阜は間延びして背後を衝かれていた問題点を修正し、ボールを奪いに行く守備を継続して磨いてきた。台風10号が接近している中ではあるが、29日時点では今節松本戦は開催予定。１週間の成果を示し、今週も『ＨＹＰＥＲ ＣＨＡＮＴ』を歌いたい。

（Text by 後藤勝）