ここから先はＪ３第33節終了時点で１位から４位までの上位４クラブとの対戦が続くが、その第一弾が今節、第34節のＦＣ今治との一戦だ。今治は現在２位。２連勝でチーム状態が良くなってきたＦＣ岐阜としては、この力が本物かどうかを確かめるまたとない腕試しの機会であると同時に、上位進出をめざし是が非でも勝ちたいホームゲームとなる。

今治は第29節ＳＣ相模原戦の敗戦が第16節ＦＣ琉球戦から13試合ぶりという安定感を誇っている。前半戦はその琉球戦まで７敗を喫したが、後半戦はくだんの相模原戦の１敗のみ。シーズンの折り返し以降に順位を上げ、自動昇格圏まで上がってきた。もちろん高い実力を誇る相手だが、前半戦の７敗のうち、岐阜もその一角。第５節の岐阜の勝利は、今治に今シーズン初めて土をつけたもの。相性は悪くないと考えていいだろう。

ただ、今治にしても岐阜にしても前回対戦から時間が経ち、序盤も序盤だった春の内容がそのまま今回の対策に当てはまるわけでもない。最近の今治を分析しての対策は施しつつも、まずは天野賢一監督になって以降の、自分たちの良い部分を出していきたいところだ。

フォーメーションを３－４－２－１にした理由には守備をより堅く安定させていきたいからという面もある。変更直後は構えて守り失点を減らそうとするところが目についたが、前節のいわてグルージャ盛岡戦は高い位置からプレスをかける守備が機能し、ボールを奪うとそのままゴールへと向かうシュートシーンが出現した。距離感、バランス、状況判断が良くなり、前から激しく奪いに行く守備と、ミドルゾーンで構える守備の使い分けができるようになってきた。前節の今治は構えた状態の大宮アルディージャから、巧みにボールを動かして穴を作りゴールを奪っている。引いて守れば失点しないというものでもない。相手を見て守備をしなければならないし、失点しても屈せずにより多くの点を獲っていこうという気概が必要になる。

今シーズンここまで52得点の攻撃には自信を持っていい。前節の5点目を見てもわかるように、形もしっかりと落とし込めている。3戦連続で『ＨＹＰＥＲ ＣＨＡＮＴ』を歌うべく、スタンドの力も加えて強豪の今治を撃破したい。

（Text by 後藤勝）