ホーム開幕戦となったＪ３第２節ヴァンラーレ八戸戦は後半アディショナルタイムが終わろうとする時間帯に失点し、今シーズンの初黒星を喫した。ホームの岐阜メモリアルセンター長良川競技場で勝てなかったこと、今シーズンの１勝目を挙げられなかったことは失意というほかはない。

もちろん、衝撃的なスーパーゴールで敗れたからと言って下を向いているわけにはいかない。目標はあくまでもＪ２昇格とＪ３優勝。フットボールの質を高めチームとして成長し、高い確率で勝てる強さを身につけていく必要がある。そのためには具体的な課題を克服していく必要がある。

ピッチコンディションの難しさもあって思うようにボールを保持できず、グラウンダーのパスを繋げなかった第１節ＦＣ大阪戦に比べ、ビルドアップに関しては前節は大きく改善した。そしてそこから一定のチャンスをつくり出してもいる。しかしボールを運び、仕掛けていく段階、そしてフィニッシュには課題が残った。この辺りの組み立てや精度も関係しているのかもしれないが、佐々木快にしてもオウイエ ウイリアムにしても、ややもするとセンターフォワードが孤立しがちになっていた。

チャンスを増やしゴールを決めるには、前後左右をさらに圧縮し、セカンドボールを回収するとともに、周囲の選手がフォワードをサポート、より精度の高いフィニッシュを実現していきたいところだ。そのための前提となる前傾姿勢そのものは、前節の後半にも見られていた。今節のギラヴァンツ北九州戦も失敗を恐れることなく、勇気を奮ってラインを上げ、相手陣への進入を増やしていくべきだろう。

北九州は第１節が４月26日に開催される変則日程のため、第２節が実質的な開幕戦。ここでＡＣ長野パルセイロを相手に２－０の勝利を収め、おおいに士気を高めている。第３節の長良川にも、自信を持って臨んでくるだろう。特にシュート数15本という攻撃力が脅威だが、これに対してしっかり守ると同時に、自分たちがボールを支配して相手に攻めさせないという姿勢が欲しい。待望の初白星を手に入れるため、強い気持ちで立ち向かい『ＨＹＰＥＲ ＣＨＡＮＴ』を歌いたい。

（Text by 後藤勝）