石丸清隆監督が率いるようになってからしばらく４－４－２で臨んでいたＦＣ岐阜だが、先週のホームゲーム、Ｊ３第24節福島ユナイテッドＦＣ戦では４試合ぶりに３－４－２－１を採用。試合開始直後は前３枚によるハイプレスがかなり効いていた。しかし時間の経過とともに前への圧力が低くなり、なんとも煮えきらない試合展開で２失点敗戦。浮上の機会を逃してしまった。

これで８試合未勝利。勝てないながらも大橋浩司ヘッドコーチが暫定的に指揮を執った第19節ＳＣ相模原戦、石丸監督体制となってからの第21節奈良クラブ戦と第23節カマタマーレ讃岐戦では引き分け、少しずつ勝点を重ねてきて、さあこれからというタイミングの敗戦だっただけに落胆は少なくない。救いであるのは、２週続けてホームの岐阜メモリアルセンター長良川競技場で闘えること。地の利を活かし、１週間Showaスポーツピアザ（北西部運動公園）で積み上げてきたものを見せたいところだ。

今節、長良川に迎える相手はＦＣ琉球。６月28日におこなわれた第18節で対戦したばかりであり、このアウェイゲームでの敗戦が岐阜の監督交代に繋がったことを思えば、その借りを返し、新生岐阜としての初勝利を挙げて矢印を上向きにしていきたい一戦となる。

ただ、琉球は与し易い相手ではない。第18節の前回対戦からあとの６試合は２勝３分１敗と結果を振り返るかぎり好調で、その１敗も上位の栃木シティを相手に撃ち合いの末、２－３で屈したもの。得点数もこの６試合は計10得点で無得点だった試合はなく、よく足が振れている感がある。今シーズンは４連敗、３連敗、２連敗と連敗が３回あったがその度に立て直し、平川忠亮監督が指揮官の座を降りることもなく、継続したチームづくりで成績を好転させてきている。

栃木シティに対してはボール保持率が５割を切っていたが、前回一巡目の岐阜戦では６割近く、前節第24節のカマタマーレ讃岐戦でもやはり６割近い数字であり、基本的にはボールを握ってきそうな予感はある。ただ、もし琉球がそうしてくれるのであれば、前節の岐阜が福島に猛烈な勢いのハイプレスで襲いかかったように、積極的に奪いに行ってチャンスとなる可能性もある。前回対戦の第18節では引いた守備で無失点を狙い1失点を喫したが、今節第25節は前からプレッシャーをかけて琉球の攻撃を阻むことができるだろうか。

琉球は前節の後半アディショナルタイムに、昨年まで岐阜に在籍していた上野輝人にボールを決められ追いつかれるという展開で引き分け。勝点２を失ったという感覚だろう。その分を取り戻そうと躍起になって出てきたところを掴めば、岐阜にとってはチャンスになる。相手が好調であっても畏れすぎることなく、積極果敢な姿勢で９試合ぶりの勝点３を狙いたい。

（Text by 後藤勝）