前節に引き続き、今節も比較的順位が近い相手との対戦となる。Ｊ３第34節で栃木ＳＣに勝利を収めたＦＣ岐阜はカマタマーレ讃岐が敗れて勝点31にとどまったことで、先週の時点でＪ３残留確定。ここからは降格の心配をすることなく、一つでも上をめざすための闘いとなるが、このタイミングで今節、岐阜メモリアルセンター長良川競技場へとやってくるのはガイナーレ鳥取。岐阜にとってはじつに厄介な相手だ。

鳥取は勝点をあと２ポイント上積みすれば、讃岐の結果に関わらず自力で残留を決めることができる状態にある。彼らが岐阜に勝って一気に残留を確定させたいと意気込んでいることは想像に難くない。そもそも、前節讃岐を下したのはその鳥取。残留に向けて突き進もうとする意思の強さが伝わってくるような結果だった。

かつて岐阜に在籍していた富樫佑太が１トップ、Ｕ－22日本代表の永野修都がボランチを務め、元東京ヴェルディの林健太郎監督が率いる鳥取は戦力の面からも難敵に思える。特に富樫は前節の讃岐戦でショートカウンターから鮮やかなゴールを決めて今シーズン８得点。古巣への恩返し弾を叩き込まれないよう、警戒が必要だ。

鳥取を迎え撃つ岐阜は前節の栃木ＳＣ戦でベテランの貢献が光った。長期の負傷離脱から戻ってきた山田直輝と荒木大吾が同点弾に関わり、今夏加入の福田晃斗が岐阜での初ゴールとなる決勝点。７連勝のあとの２連敗でやや勢いを失いかけていたチームにエネルギーを充填するような活躍で、再び火が灯った感がある。石丸清隆監督が信念として掲げる、ゴールに向かい前を向く積極的な攻撃を貫けば、まだまだ上をめざせるはずだ。

そのためには、ここで腰を落ち着けてしまわないことが重要だろう。Ｊ３残留を決めて安堵する頃合いではあるが、勝敗の結果に左右されず、常にプロとして最高のパフォーマンスを見せるべく準備をするべきというのが石丸監督の考え。ホーム長良川にやってくる人々のため、良いプレーを見せ、そしてＪ３残留を決めたい鳥取の気迫に負けないようにするためも、いっそう士気を高めてこの試合に臨まなければいけない。早いもので今年のホームゲームはあと３試合。『ＨＹＰＥＲ ＣＨＡＮＴ』で歓喜を分かち合うべく、どん欲に勝利を求めていく。

（Text by 後藤勝）